自己愛性人格障害に負けない

自己愛性人格障害の人と関わって疲弊しました。そのような人とどう立ち向かったらいいのか考察しました。

兄の自殺

兄は自宅で首をつって亡くなりました。母が発見したそうです。

 

私も働いていない男の兄弟がいるなんて、重荷すぎました。

事件を起こしたらどうしよう…と心配もしていました。

 

私が小学校の時は仲が良かったのですが、中学入った頃から仲が悪くなりそれ以来まともに口を聞いていませんでした。

亡くなったと聞いて、ほっとした部分もあります。将来お金の面での苦労の種が一つ減ったと。

 

と同時に、ここまで子供を追い詰めた両親に対しては幻滅しました。

なぜ更生させようとしなかったのか。

 

両親は相談事を聞いてくれるような人ではありません。子供に一切関心がないのです。

 

子供の変化にいち早く気付いて、声をかけるとか話を聞いてくれるとか、そういう暖かい人ではありません。

話したところで「お前が悪いんだ」と返ってくるだけ。そういう人に悩み事を打ち明けようなどと思いますでしょうか。

 

私も本当なら頼れるお兄ちゃんでいてほしかったですが、そんな願いは叶わないとわかっていました。

 

兄は遺書を残していたそうです。

「もうダメだ」のようなことが書かれていたとか。

 

やはりそうです。

自己愛性人格障害の毒を受けた人は、絶対的に愛情が不足していて、自分に自信がありません。

外に出ていかないので、ほかに相談する人もおらず、家の中だけというごく限られた世界しか知らない人です。

 

そういう人が親から否定されてばかりいたら、自分には生きている価値がないと思うのも当たり前ではないでしょうか。

 

私も長いこと兄と話していませんでしたから、今更話すのもというのもあって、関わりませんでした。

働いていたり用事があれば帰りも遅くなりますし、気にしないようにしていました。私が何かしたところで、何も改善しないのだろうとも思っていました。

一度サイトから請求されたようで困っていたと親から聞きましたが(エッチなサイトでしょうね)、どうしたらいいのだろうと対策を考えました。まぁ、無視が一番ですね。

 

自己愛性人格障害の親を持つと、子供が暴れるというケースがありますが、兄はそのようなことはありませんでした。少し壁に当たるということがあったくらいです。

 

恐らく、ただただ自分を責め続けていたのではないでしょうか。

心の弱い人程、自分を責めます。耐えきれなくなったら、終わりにしてしまう道を選びます。

 

兄が亡くなった時、母親が言った言葉

「心が弱かったからね…」

 

その時私は違和感を覚えました。

「私の育て方が悪かったのかな…」とならないことに。

 

当時は自己愛性人格障害という言葉を知りませんでしたから、違和感を説明することはできませんでした。

 

でも、今ならわかります。

「子供が自殺しても、自己愛性人格障害は自分の非は認めない」ということに。

 

母親は悲しんでしましたが、それならなんでもっと早く兄の心を救ってあげられなかったのでしょうか。本当に大事にしている息子なら、相手の気持ちをくんで、人として尊重するはずです。

人として認めてあげましょう。親なら。

 

少し前に「なぜ兄が亡くなったんだと思う?自分に悪いところはあったのかなと思わない?」と母親に聞いてみました。

 

愕然とする言葉が返ってきました。

「私にも悪いところがあったと思うよ。でもお父さんが『働け!』って言ってたから死んだのよ」

息子の自殺の原因を、旦那のせいにしたのです。

「この人、頭おかしい」と思いました。

 

息子が亡くなったら、自分にどこか悪いところがなかったか考えないのでしょうか?

ノートに書いたりしないのでしょうか。

そして、自分はどうあるべきなのか、二度とこういうことが起きないようにするにはどうすればいいのか。

こういうのを考えないのでしょうか。

 

親としてではなく、人として信じられませんでした。

 

あと「みんな働かないのは、そういう家系なのよ」とも言いました。

母親の弟がそうだったから、自分の息子、娘(姉のこと)が働かないのも家系のせいだと。

 

毒親って、どこまでも毒だなと思いました。

人としての感情がない人が異常であると気付かず、外の世界は優しい人がたくさんいることも知らず、女性のことも全く知らず、人生を終わりにしてしまうなんて…悲しずぎます。

 

もし毒親自己愛性人格障害が周りにいて悩んでいる人は、どうか命を大事にしてほしいな、と思います。

 

よく「自分が死んで反省すればいい」と言う人がいますが、自己愛性人格障害は、自分のせいで人が自死しても決して反省などしません。

 

周りの誰かに、必ず責任転嫁します。

もし、身内など近い人でない場合、被害者が亡くなったことすら記憶から消してしまうかもしれません。

 

それくらい、なんとも思わないからこそ自己愛性人格障害なのです。